沖縄ジュゴン米国訴訟、連邦地裁判決に対し、控訴いたしました。
-- プレスリリース --
沖縄ジュゴン米国訴訟
サンフランシスコ連邦地裁の却下判決に対し、控訴しました。
沖縄ジュゴン米国訴訟(以下、「本件訴訟」と言います。)について、2015年2月13日(米国時間。以下、特に注釈がない限り米国時間での日にちです。)、サンフランシスコ連邦地裁は、却下判決を下しました。
これに対し、本件訴訟の原告(米国の生物多様性センター、タートルアイランド回復ネットワーク、日本の日本環境法律家連盟(JELF)、ジュゴン保護基金、及び3人の日本人の個人原告)は、本日(米国時間4月9日)、控訴申立てを行いました。
訴訟の経緯(2003年から2012年)
本件訴訟は、辺野古基地建設が、National Historic Preservation Act(国家歴史保存法NHPA)と同等の内容をもつ日本の文化財保護法において天然記念物に指定されている沖縄ジュゴンに影響するため、NHPA違反となることの確認を求め、上記原告が米国の国防総省(以下、「DOD」と言います。)及び国防長官を被告とし、2003年9月24日にサンフランシスコ連邦地裁に提訴したものです。
当初本件訴訟を担当していたパテル判事は、2005年3月2日、本案審理に入る旨の中間判決を下し、さらに、2008年1月24日、被告の行為がNHPAに違反するとして、被告に対しNHPAの遵守を命じました。
その後、裁判の焦点は、どのような手続きであれば被告がNHPAを遵守したといえるのかという点に移行しましたが、当時の日本国内の情勢から、2012年2月12日、裁判所は本件訴訟の手続を一旦休止するとの決定を下しました。
2014年4月からの展開と今回の控訴
しかし、2014年4月16日、DODは、原告と協議することもなく、突然、裁判所に対し報告書(Findings)を提出し、NHPAに基づく義務を履行したとしました。そして同年7月1日、DODの当該報告書提出を経て、辺野古での基地建設工事が着手されました。この状況を受け、原告は、同年7月31日、サンフランシスコ連邦地裁に対し、DODはNHPAに基づく義務を履行していないと反論し、DODの義務不履行の「違法確認」(Declarative relief)と、義務を履行するまで基地建設を禁止する「差止命令」(Injunctive relief)の請求を追加し、本件訴訟手続の再開申立てを行いました。
しかし、訴訟手続再開後、本件訴訟を担当することとなったチェン判事は、2015年2月13日、違法確認の請求については原告適格を欠くとして、建設工事差止の請求については政治問題の法理(Political question doctrine)に抵触するとして、いずれの原告の請求についても却下判決を下しました。
原告としては、本件却下判決は到底承服できるものではなく、冒頭記載のとおり、本日(米国時間4月9日)、控訴申立てを行いました。
今後は、本件訴訟は米国の第9巡回控訴裁判所において審理されることとなります。
2015年4月10日
沖縄ジュゴン弁護団、日本環境法律家連盟(JELF)
----------以下、米国側プレスリリース--------------
Conservation Groups Continue Legal Fight Against U.S. Military Base in Japan
American and Japanese conservation groups today notified the Department of Defense that they will appeal a U.S. district judge’s rejection of a lawsuit that called for a halt to construction of a U.S. military airstrip in Okinawa.
The U.S. base expansion would pave over some of the last remaining habitat for critically endangered Okinawa dugongs, ancient cultural icons for the Okinawan people and marine mammals related to manatees. The dugong is listed as an object of national cultural significance under Japan’s Law for the Protection of Cultural Properties, the equivalent of the U.S. National Historic Protection Act.
The 9th Circuit Court of Appeals will review the district court’s dismissal of the groups’ claims that the Department of Defense’s failure to consider the harm to Okinawa dugongs violates the National Historic Preservation Act.
Contact Peter Galvin at (707) 986-2600 or Sarah Burt at (415) 217-2055 for more information or for a copy of today's appeal.
<和訳>
環境保全に取り組むグループは、日本での米軍基地建設に対し、法廷での戦いを継続します。
日米の自然保護団体は、本日、国防総省に対し、沖縄での米軍飛行場建設の中止を求める訴訟に対する連邦地裁の却下判決に控訴することを伝えました。
米軍基地の拡大は、絶滅が脅かされている沖縄のジュゴン、マナティによく似た海洋哺乳類で、沖縄の人々にとっては古からの文化的アイコンでもある生き物でもあるジュゴンの最後に残されている生息地を埋め固めてしまうことになります。ジュゴンは、米国NHPA法(国家歴史保存法)と同等の意義がある日本の文化財保護法のもとで、国家的に重要な文化財として指定されています。
控訴審における第9巡回裁判所では、国防総省が、沖縄ジュゴンの保護に関し考慮していないことがNHPA法への違反であるとする原告側の訴えを却下した地裁判決に関し、争うことになります。
本日の控訴に関する問い合わせ:
Peter Galvin 、Sarah Burt
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沖縄ジュゴン米国訴訟
サンフランシスコ連邦地裁の却下判決に対し、控訴しました。
沖縄ジュゴン米国訴訟(以下、「本件訴訟」と言います。)について、2015年2月13日(米国時間。以下、特に注釈がない限り米国時間での日にちです。)、サンフランシスコ連邦地裁は、却下判決を下しました。
これに対し、本件訴訟の原告(米国の生物多様性センター、タートルアイランド回復ネットワーク、日本の日本環境法律家連盟(JELF)、ジュゴン保護基金、及び3人の日本人の個人原告)は、本日(米国時間4月9日)、控訴申立てを行いました。
訴訟の経緯(2003年から2012年)
本件訴訟は、辺野古基地建設が、National Historic Preservation Act(国家歴史保存法NHPA)と同等の内容をもつ日本の文化財保護法において天然記念物に指定されている沖縄ジュゴンに影響するため、NHPA違反となることの確認を求め、上記原告が米国の国防総省(以下、「DOD」と言います。)及び国防長官を被告とし、2003年9月24日にサンフランシスコ連邦地裁に提訴したものです。
当初本件訴訟を担当していたパテル判事は、2005年3月2日、本案審理に入る旨の中間判決を下し、さらに、2008年1月24日、被告の行為がNHPAに違反するとして、被告に対しNHPAの遵守を命じました。
その後、裁判の焦点は、どのような手続きであれば被告がNHPAを遵守したといえるのかという点に移行しましたが、当時の日本国内の情勢から、2012年2月12日、裁判所は本件訴訟の手続を一旦休止するとの決定を下しました。
2014年4月からの展開と今回の控訴
しかし、2014年4月16日、DODは、原告と協議することもなく、突然、裁判所に対し報告書(Findings)を提出し、NHPAに基づく義務を履行したとしました。そして同年7月1日、DODの当該報告書提出を経て、辺野古での基地建設工事が着手されました。この状況を受け、原告は、同年7月31日、サンフランシスコ連邦地裁に対し、DODはNHPAに基づく義務を履行していないと反論し、DODの義務不履行の「違法確認」(Declarative relief)と、義務を履行するまで基地建設を禁止する「差止命令」(Injunctive relief)の請求を追加し、本件訴訟手続の再開申立てを行いました。
しかし、訴訟手続再開後、本件訴訟を担当することとなったチェン判事は、2015年2月13日、違法確認の請求については原告適格を欠くとして、建設工事差止の請求については政治問題の法理(Political question doctrine)に抵触するとして、いずれの原告の請求についても却下判決を下しました。
原告としては、本件却下判決は到底承服できるものではなく、冒頭記載のとおり、本日(米国時間4月9日)、控訴申立てを行いました。
今後は、本件訴訟は米国の第9巡回控訴裁判所において審理されることとなります。
2015年4月10日
沖縄ジュゴン弁護団、日本環境法律家連盟(JELF)
----------以下、米国側プレスリリース--------------
Conservation Groups Continue Legal Fight Against U.S. Military Base in Japan
American and Japanese conservation groups today notified the Department of Defense that they will appeal a U.S. district judge’s rejection of a lawsuit that called for a halt to construction of a U.S. military airstrip in Okinawa.
The U.S. base expansion would pave over some of the last remaining habitat for critically endangered Okinawa dugongs, ancient cultural icons for the Okinawan people and marine mammals related to manatees. The dugong is listed as an object of national cultural significance under Japan’s Law for the Protection of Cultural Properties, the equivalent of the U.S. National Historic Protection Act.
The 9th Circuit Court of Appeals will review the district court’s dismissal of the groups’ claims that the Department of Defense’s failure to consider the harm to Okinawa dugongs violates the National Historic Preservation Act.
Contact Peter Galvin at (707) 986-2600 or Sarah Burt at (415) 217-2055 for more information or for a copy of today's appeal.
<和訳>
環境保全に取り組むグループは、日本での米軍基地建設に対し、法廷での戦いを継続します。
日米の自然保護団体は、本日、国防総省に対し、沖縄での米軍飛行場建設の中止を求める訴訟に対する連邦地裁の却下判決に控訴することを伝えました。
米軍基地の拡大は、絶滅が脅かされている沖縄のジュゴン、マナティによく似た海洋哺乳類で、沖縄の人々にとっては古からの文化的アイコンでもある生き物でもあるジュゴンの最後に残されている生息地を埋め固めてしまうことになります。ジュゴンは、米国NHPA法(国家歴史保存法)と同等の意義がある日本の文化財保護法のもとで、国家的に重要な文化財として指定されています。
控訴審における第9巡回裁判所では、国防総省が、沖縄ジュゴンの保護に関し考慮していないことがNHPA法への違反であるとする原告側の訴えを却下した地裁判決に関し、争うことになります。
本日の控訴に関する問い合わせ:
Peter Galvin 、Sarah Burt
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by juconetwork
| 2015-04-10 15:34
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