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★レポート★ 米国ジュゴン訴訟、控訴審

2017年3月15日(水)、辺野古のジュゴンがアメリカ国防総省を訴えている米国ジュゴン裁判の法廷があるため、サンフランシスコにある連邦裁判所の控訴審が開かれました。
このジュゴン裁判は、2008年の地裁判決では、米国国防総省がジュゴンに配慮せずジュゴンの生息する海を破壊するのは違法だとしたこの裁判ですが、2015年、交替された裁判官によって「高度に政治性が高いことなので判断をしない」として、原告側が敗訴する判決が出されていました。しばらく裁判の動きが止まったままでしたが、今回、裁判所で口頭弁論が開かれたので、私も弁護団に同行してアメリカを訪問し、裁判を傍聴しました。

裁判期日には、日本から参加した弁護団や私たちのほかに、アメリカ在住の沖縄の人たち、米国で原告として一緒に活動しているCenter for Biological DiverisityやTurtle Island Restoration Networkから大勢のスタッフの皆さん、私たちの代理人である法律専門の環境NGO、Earthjusticeのスタッフの皆さん、そして、この裁判でジュゴンの大切さを認められることがアメリカの文化財を守る法律、政策においてとても大きな価値があるとしてずっと応援してくださっているNational Trust for Histric Preservationの方などが参加され、とても大勢の傍聴人が聞く中で行われました。

裁判官は、合計3名。オバマ大統領が任命したお二人の裁判官と地裁の裁判官としてレーガン大統領が任命され、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領(父親のブッシュ大統領)時代に高裁の裁判官になられた一人、という組み合わせでした。私たちの事件には、それぞれの弁護士が持ち時間、各20分を与えられ、裁判官の質問にで答え、その後、控訴人である私たちのサラ・バート弁護士が2分で弁論をまとめる、という手続きで行われました。

最初に印象に残ったのが、私たちのサラ弁護士が、今日は日本からも傍聴するためきています、と最初に話したときに、裁判官が「Welcome」と言ってくださったことでした。裁判官からは、私たちだけでなく、相手方の国防総省の主張に対しても、本当に厳しい質問がでていました。
結果がどうなるか、いつ結果が出るのかなどは全然わからないようですが、法廷では私たちがこれまで主張してきたことを弁護士はしっかりと言葉にして伝えて下さったように感じました。
控訴審は米国でも、一般的に、勝訴を勝ち取れる割合はとても少なくて難しいとおっしゃっていました。でも実際に参加してみて感じたのが、ジュゴンが住む美しい海を守りたい、という私の気持ちは、国境を越えて素晴らしい仲間とのつながりを生みだし、裁判所という重要な場所でもしっかりとその気持ちを伝えたいと考え、行動する仲間が大勢いるのだと実感したことに、何より勇気づけられ、嬉しく励まされました。

法廷の様子は、WEBで同時中継もされ、後で聞きましたが、当日裁判所までは来られなかった各団体のスタッフさんたちも、オフィスで中継を見ておられたそうです。
また、裁判所ニュースというサイトにも、雰囲気を伝える記事が掲載されていました。
https://www.courthousenews.com/ninth-circuit-leery-plans-okinawa-marine-base/

裁判所の建物を出て、法廷での緊張が解けた私たちは、めったにお会いできない、しかしながら、裁判を始める前から15年以上にもわたって長く一緒にがんばっている米国の皆さんや今回の裁判の応援のために集まって下さった皆さんと、とてもいい雰囲気でご挨拶をしたり意見交換をしたりしました。
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話も弾んだのでそのまま全員で、オフィス街の中にあるEarthjusticeの事務所に移り、沖縄の現状をお伝えしたり、今後、また日本に帰って始めていきたいキャンペーンなどについて具体的な打ち合わせをしたり、今後の戦略など議論しました。
また、傍聴に来られていた米国NGOの皆さんにも、各々事務所を訪問するなどして、ご挨拶させて頂き、引き続きのサポートを約束していただいたきました。

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今回、弁護団に同行させて頂いて、沢山のアメリカの人にお会いすることができました。

まず、ながく共に活動に取り組んでいる皆さんと話した中で、沖縄への関心を抱き続けて活動されている人々の思いの深さ、強さを深く感じとることが出来ました。
そして、また、日米が沖縄に押しつけている問題についてあまり知らなかった人達との場で今回の訪米の目的を説明するような場においても、沖縄がおかれている状況のひどさ、ジュゴンのかわいらしさ、辺野古の海や沖縄の森の美しさに、皆さんが深い共感と励ましを示して下さったことがとても印象的でした。

まだまだ活動は続いていきますが、日米の国境を越えて、草の根レベルでの信頼できる人々とのつながりを丁寧に丁寧に築いていって、いつかそれが、できるだけ早く、できるだけ大きな声となって政治の中枢に届くべく、私もまた、がんばり続けたいと思っています。
 (文責:三石朱美)

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by juconetwork | 2017-03-21 19:34
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