美ら海・沖縄に基地はいらない!

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★レポート★ ジュゴン訴訟、米国原告団が沖縄を訪問

2017年11月27日~12月4日までの1週間、米国で沖縄の人達とともにジュゴン訴訟に取り組んでいる原告団体のCenter for Biological Diversity(生物多様性センター)の皆さんが、沖縄を訪問されました。
今年8月、アメリカの連邦高等裁判所は、ジュゴン訴訟を却下判決したサンフランシスコ連邦地裁の判断は間違っているとして、却下判決を棄却する判決を出しています。

3月にこの控訴審の口頭弁論の傍聴のため訪米し、米国の皆さんと今後のキャンペーンのあり方など議論させていただいたことに引き続き、今回も、米国の皆さんの沖縄訪問の後半の部分に同行させて頂き、ジュゴン訴訟を中心とする今後の米国国内での取組みと、沖縄、日本の運動の連携のあり方など沢山の議論をする時間が持てました。(3月の傍聴レポートはこちらです→ http://jucon.exblog.jp/27658238/ )

今回、沖縄をされたのは7名のCBDスタッフの皆さんと、2名の先住民族の皆さんでした。CBDのスタッフの方の中には、ジュゴン訴訟の提訴を一緒に検討し、実際に2003年の提訴の時から共に準備をし、14年にもわたるこの長い訴訟の全てを見届けておられるピーターさんの他に、情報公開の問題などに詳しいミヨコ・サカシタ弁護士、CBDのキャンペーンスタッフの方達や気候変動問題などの視点から海洋の事に取り組んでおられる弁護士の方、それに、抵抗する人々への人権侵害をとめるため、人権の観点から取り組んでおられる法律家の方など、多岐にわたる側面からの専門家の皆さんでした。
私も以前、サンフランシスコにあったCBD事務所を訪ねたことがありますが、この代表団だけではなくて、CBDがしているジュゴンを守るためのこの取組みを支える多くのスタッフがアメリカにいて、またその活動に賛同する市民がたくさんいることにおどろいたことがあります。今回こられた皆さんがとても層が厚く素晴らしい人達だったことに励まされ、皆さんを支える多くのアメリカ市民の存在を感じ取ることもできて、大きな勇気をもらいました。

また、視察に同行された米国の先住民族であるのWishtoyo族のお二人は、彼らのコミュニティや自然とちともに生きる彼らの文化が奪われてきた歴史から、沖縄の歴史の中に息づくジュゴンが、沖縄の文化の一部として人々の生活の中にあることを深く理解され、基地建設はこうした沖縄の文化や精神をも破壊するものであることに、とても心を痛めておられました。

米国から来られた9名の皆さんは、滞在中、辺野古の海でグラスボートに乗られて、サンゴ礁やウミガメ、ウミヘビや色とりどりの魚を見たことをとても喜んでおられ、やんばるの森でいろいろな鳥の声を聞いたことに感動されていました。その一方で、海上工事が進む風景や軍用機が飛び交う音に心を痛め、機動隊の人権侵害に対し、私たちと同じように強い憤りを感じておられました。

私が同行する前日、11月30日にはゲート前でご挨拶もされ、Wishtoyo族のお祈りを捧げてくださっていました。米国の皆さんはこの基地建設をめぐっての闘いが20年間非暴力を貫いていることにとても感銘をうけた、とおっしゃっていました。その一方で、現場にいた沖縄の皆さん、そのニュースをしった皆さんがが、彼らの祈りにとても励まされ、彼らのスピーチに勇気をもらったとおっしゃっていたのも印象的でした。
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12月1日には、米国の皆さんとジュゴン訴訟の原告をされている沖縄の3名や日本環境法律家連盟(JELF)のジュゴン弁護団は、基地が建設され、軍用機やオスプレイが飛び始めたら影響がとても大きい名護市安部地区に集まって、この訴訟についての評価や今後の訴訟の展開をどうすすめるべきか、を議論しました。

今、日本政府は暴力的に基地建設を強行している中、この基地建設は米国政府の問題でもあるということ。米国政府は常に日本政府に任せている、日本政府と話をしている、と言って問題から逃げているけれど、米国の裁判所が、その米国政府に対して沖縄の人々ときちんと向き合うべきだと宣言したのだ、ということを、改めて確認しました。
そして、この後のスケジュールを確認した後、改めて、この不当な基地建設と自然破壊を止めるため、できることを徹底的にやり遂げること、そのためにはそれぞれの立場でお互いが何ができるのか、といったことを話し合い、共有しました。

会議の後に続く懇親会では、食事をしながらお互い自己紹介し合ったり、美しい辺野古、大浦湾の海洋ドキュメンタリーを堪能しました。そして、We shall overcomeの歌を全員で歌って気持ちを一つにするシーンなどもあり、とても楽しい時間を過ごすことができました。
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翌日、名護から移動した米国の皆さんは普天間基地が見える宜野湾市の嘉数高台からの視察をした後、沖縄県立博物館に移動し、海とともにある沖縄の文化、成り立ちをしる展示物を堪能されながら、ジュゴンの剥製や先史時代に使われていたジュゴンの骨のアクセサリーなどの展示物を見学しました。

那覇市内では、今回のジュゴン訴訟の報告会を行いました。Wishtoyo族のお祈りで始まったこの報告会は、原告でもある東恩納琢磨さん、真喜志好一さんなどからこれまでの歴史、現状をご報告いただき、ジュゴン弁護団の籠橋隆明弁護士、和田重太弁護士から日本の私たちにも分かるように法律的な側面の解説を頂きました。
また、生物多様性センターのピーターさん、弁護士のミヨコさんから、米国国内での運動の取組みや今後の見通しなどお話しいただき、Wishtoyo族のマーティさんからは日米両政府が沖縄の自己決定権を尊重していないことなどのご指摘もありました。
そして、米国国防総省が裁判の中で主張していることがいかに矛盾した内容か、といったことについて、Save the Dugong Campaign Centerの吉川秀樹さんからご報告を頂戴しました。

辺野古だけでなく、豊かな自然があるやんばるの森も見学された皆さんは、高江の基地建設にも心を痛めておられ、今でさえヘリパッドの影響が出始めているというのに、これからもっともっとオスプレイが飛び交うようになったとき、やんばるのノグチゲラなどの貴重な生き物がどれだけの影響を受けるのかといった指摘もありました。

皆さんの充実したご発言で会場からのご発言を頂ける時間が短くなってしまったのが残念でしたが、この報告会を通じて、米国、沖縄、日本、それぞれの場所でそれぞれができることの共通認識を持つことができ、また、私たちが常に大切にしているものはどんなことなのかを改めて確認しあうことができ、とてもよかったです。

残念ながら今日も工事は進んでいます。
その光景を目にすると、正直、焦りや危機感もありますが、だからこそ互いが全力を尽くしてやりぬこうという決意を共有して解散しました。

昨日、東京に移動された米国の皆さんは、今日(12月4日)は、朝から東京で関係省庁への申し入れ行動をされています。午後には外国人記者クラブで記者会見を行った後、帰国されることになっています。

米国の皆さんにとってはとてもハードなスケジュールでしたが、皆さんが一様に「沖縄の人々の心の深さ、思いの大きさ、そして平和を思う姿勢に心を打たれた」とおっしゃっていたのが印象的でした。
より深くなった沖日米の連携をますます強くできるよう、私もその一員として、がんばりたいと思います!
(文責:三石朱美)
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by juconetwork | 2017-12-04 18:39
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基地から沖縄の自然を守りたい日米市民のネットワーク


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